VOYAGER

GEOGRAPHIC・5番目のタイトル “VOYAGER”（ボイジャー）は、私たちとしては初めての「コンピレーション・アルバム」ではなく、便宜上「ソロアルバム」としての形式を取っています。GEOGRAPHICの一人・野原卓（のはらたかし）はXL Projectというレーベルの主催を00年代中旬から平行して進め、今までに次作アレンジ・プロデュースの元に30作品以上の音楽アルバムをリリースしました。しかしソロワークスに関しては現在まで未発表で、オリジナル楽曲による作品発表の機会が待たれていました。今回は野原卓による「旅」をイメージした5曲のソロ作品に加え、それらに併せて既にGEOGRAPHICで多くの楽曲を発表して頂いている倉崎鮎子、そしてコンセプターの坪谷サトシによって導入と終端が作成されています。

パッケージングは、GEOGRAPHICの各メンバーがリサーチで海外を巡った際に拾得した切符やチケット、その他ペーパーアイテムがモチーフになっています。上海、ロンドン、ミュンヘン、フィレンツェ、ニューヨーク、サンフランシスコ、パリを訪れた際の「痕跡」を各都市1枚ずつ：合計7種類の「チケット」として、フォイル（箔）による加工で著名なコスモテック社との協力により、合計7種類の用紙と9色の箔版を用い、造形しました。最小限に編集された情報や機能的なディテールに限った状態でも、各都市のイメージが表出するようです。7枚の「限られた断片」は、各個体によって紙の色がランダムにパッケージされるように設定されています。これらのイメージを実現するため、今回は音楽CDでのリリースとなります。データでの販売はiTunesを通してのみ、行なわれる予定です。

導入に素晴らしいトラックを提供してくださった倉崎鮎子氏、マスタリングのネキハルユキ氏、また生産に関して高度な箔押し・カッティングの技術を提供して下さったコスモテックの青木氏、ならびに「各個体で別の色片をランダム封入する」アセンブリを実現して下さったテックトランスの平野氏にこの場でお礼申し上げたいと思います。

また、本作と同じタイミングでリリースされる、GEOGRAPHICの活動に共感頂いている野口尚子氏が主催のサークル“PRINTGEEK”（http://printgeeeek.tumblr.com/）の新作新作誌誌“PLOTTER vol.2”（https://printgeek.stores.jp/）に、私たちのメンバー・坪谷も“Science+Fantasy”と題した記事をを執筆させていただいています。"PLOTTER vol.2"と“VOYAGER”は2日目の“PRINTGEEK”ブース、ならびに3日目の“GEOGRAPHIC”ブースの両方で頒布されます。こちらも併せて、是非ご覧下さい。